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くも膜下出血の特徴として、「トンカチで頭を殴られたような超激しい頭痛がある」というのがあります。

これはとっても有名な症状です。

とにかく、くも膜下出血はおそろしい病気です。

なぜなら死亡する可能性が非常に高いからです。仮に生き残ったとしても重度の後遺症が残る可能性が高く、なんとも怖い病気です。

ところでこのくも膜下出血は梅雨のこの時期、発症することが多くなるという報告があります。また秋口の台風の時期にも増えてきます。

怖い話ですが、無視できない話です。




◆ 血管にできた瘤(コブ)が破裂するのに気圧が関与している?

脳の血管のあるところに、まるでこぶとり爺さんのこぶのように、ぷくっと膨らんでコブができることがあります。そう、血管はこぶのように膨らむんです。

あちこちにしょっちゅうできるというわけではありません。

コブができないまま一生を終える人のほうが多い。できても、1個とか、それくらいです。たまに複数のコブが出来る人がいます。

このコブが破裂すると「くも膜下出血」となります。


いくらコブがあっても破裂していなければ、くも膜下出血とはいいませんし、違います。


コブはコブなので、少しずつ大きく成長してきます。いづれ大きさに耐え切れずに破裂して大出血を起こす可能性があります。この瞬間に、くも膜下出血となります。


冗談なしで本当に恐ろしい病気です。

多くの方が亡くなります。亡くなる場合は、多くの場合病院にたどり着く前に死亡します。

そうです。ほぼ即死です。


「あーー、なんか・・頭が痛い・・いたたたたあ!」

そのまま意識不明で倒れ込み、周りの人がびっくりして救急車を呼んでくれましたが、病院に着く前にすでに死亡ということはよくあることです。

このコブの破裂は確率論で予想しますが、難しいです。コブがあってもそのまま破裂せずに一生を終えることもよくあります。しかし破裂をしたら、死ぬ可能性があり、生き残っても重度の後遺症が残る可能性もあり、手術をしてコブをやっつけるかどうか、悩ましい問題です。

結局、主治医とよくよく話し合って決めることになりますが、こんな怖いものが知らぬうちに自分の頭の中にあるなんて、不気味な気持ちになります。


このコブ=脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)は通常自覚症状がなく、脳の血管を調べないと分かりません。時に、視力がおかしくなるということがあります、急に片方の視力が無くなるとか。

なので、脳ドックとか脳の別の病気を発症したときに、たまたま見つかったということが多いです。

それくらい普通の人は、自分の脳にあるのかないのか分からないものです。


このコブが破裂をする原因はまだはっきりと分かっていません。

ですが、いろいろと「これだろう」と考えられる要因があります。

一番は「高血圧」です。

その他に「遺伝」があります。家族にくも膜下出血を起こした人がいる場合、破裂する確率が高くなるというデータがあります。


そして季節(気圧)です。


梅雨のこの時期、くも膜下出血が増えるという報告があります。

あと秋口から増えてきます。


これはおそらく気圧が関係していると予想されています。

ちょうどこの時期は南の海で台風が多く発生してくる時期です。

そして低気圧が発生しやすい。この低気圧が関与しているのではないかと考えられています。


◆ 比較的冬に多いが、年間を通じて発症します。

私が前の職場、脳神経外科病院に勤めていた時、10月中旬ごろだったか脳外科の医師がつぶやきました。

「そろそろSAHの季節だなあ」

そうです。秋口からだんだんくも膜下出血が増えてきます。SAHはくも膜下出血のことです。


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この病気は、女性のほうが男性よりも発症数が多いことが分かっています。


また脳卒中のなかで、家族性がはっきりしているのがくも膜下出血です。

二親等内にくも膜下出血の患者さんがいると、そうした家族がない人に比べて、脳動脈瘤が2倍~3倍の高頻度で見つかるということがはっきりしています。

ですから、もし二親等内の家族にくも膜下出血の方がいらっしゃるのなら、ちょっと気になりますね。


◆ 「三分の一の法則」 - なぜくも膜下出血は恐ろしいのか。

くも膜下出血には「三分の一の法則」があります。

発症した、

三分の一が「死亡」

三分の一が「重度の障がいで社会復帰ができない」

三分の一が「社会復帰ができる」

という法則です。


「死亡」の三分の一に関していいますと、ほとんどの死亡は病院にたどり着く前に死亡してしまいます。つまり即死です。

死亡率は30~40%です。


もし生きて病院にたどり着けたら、しかも脳外科の手術ができる病院にたどり着けたらかなりの確率で「死亡は免れる」かもしれません。

とにかく「生きて」脳外の手術ができる病院にたどり着くことです。


とにかく常に「死」が付きまとう恐ろしい病気です。助かるには手術しかありません。しかも一刻も早く。

コブが破裂しても、その直後は脳圧が高くなり一旦出血は止まります。かろうじてかさぶたで止まっている状態です。いつまた再破裂するか分からない非常に不安定な状態です。一刻も早く手術でコブを塞ぐかして再破裂が起きないようにする必要があります。再破裂すればするほど、死にどんどん近づきます。

くも膜下出血は脳動脈瘤(コブ)が破裂して起こる病気ですが、手術をしてコブの再破裂を防ぐことを施しても、まだまだ越えなければならない山があります。脳血管攣縮、水頭症・・・

本当に恐ろしく、ややこしい病気です。奥深いなあといつも思います。

それゆえ、私はくも膜下出血が大好き(語弊があるかもしれませんが、とてもとても興味深いという意味です)で、医師とともに一人でも多くの患者さんを助けたいと思い、日々勉強に努めています。

回復期リハビリテーションに移った今は、そのような急患に接することはなくなりましたが、今までの経験はとても貴重だと感じています。

いつ、どこで、このような方に遭遇するか分かりません。

いつでも動ける自分でありたいと思っています。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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